ワダパゴスの食
秘境ワダパゴスには独特の食文化もあります。
ここでは王道の食7つをご紹介。
すべて食べて、ワダパゴスを制覇しよう。
<ワダパゴスの食 7つの王道>
遠山ジンギス
羊肉(マトン)や山肉などを美味しいたれで味付けしたお肉。この味付け肉は、遠山の暮らしになくてはならない必需品。遠山の人たちは季節を問わず、場所を問わず、いつでもどこでもジンギスを焼く。ワダパゴスの主食と言っても過言ではない。
下栗いも(二度芋)
遠山地方でつくられるジャガイモ。もともと二度芋と呼ばれ、古くから下栗地区の急傾斜の畑で栽培されてきた。下栗いもはふつうのジャガイモより小粒で貯蔵性がよく、身が締まっているのが特徴。厳しい南アルプスに生きる人々にとって、二度芋はなくてはならない遠山独特の作物である。
スビテ
いわゆるしめ鯖、だが普通のしめ鯖が生サバからつくるのに対し、スビテは塩サバでつくる。かつての遠山では、海の生魚を食べることができないため、塩サバ、塩サンマ、塩イカなどがトラック、古くは馬によって峠を越えて運ばれてきたという。魚をいかに長持ちさせておいしく食べるか。スビテの塩と酢は、その工夫の結果なのである。スビテは遠山の冠婚葬祭には欠かせない料理だ。
赤石銘茶
お茶の産地といえば、静岡・宇治などがすぐ頭に浮かびますが、長野県でもお茶は作られているのです。長野県の南、下伊那郡と呼ばれる地域で作られるお茶はほとんどが、自家消費用です。南信濃は天竜川とその支流が織り成す深い谷間にあり、その急斜面にお茶畑が点在しています。村史の記述によれば、400年以上も前からこの地に茶があったようです。
村の茶の生産が具体的になったのは昭和30年代の後半、こんにゃく、養蚕が最盛期を迎えたころ。茶の生育に気候風土が合っている、見本とすべき茶の生産地が近くにある、狭い土地からも収益を上げられ、観光においても重要な役割を果たすという点から次代の農作物として茶が選ばれました。
村の周辺は谷が深く日照時間が短いため昼夜の寒暖の差が大きく病虫害の心配がありません。農薬をできるだけ使わないこの安全性が遠山のお茶の一番の自慢です。
味の特徴はまず渋み。山間地の温度差が大きい土地で育つ「山つき」と呼ばれるお茶の特徴です。でもその渋みの中には、この地形ならではの朝夕の朝霧が生み出す甘味がありこれがうまいのです!
遠山こんにゃく
遠山谷は急傾斜地が多くて水田に適さないため、今も昔も畑作農業が盛んだ。とくにこんにゃく芋の自然栽培は、朝日の受ける日当たりのいい南向きの傾斜地が適地とされ、また麦との二毛作が可能だったために、多角経営が求められる遠山谷の農家にとっては最高の換金作物だったのだ。今でも自家製で作っている家もあるし、和田の小林蒟蒻店は、下伊那のこんにゃくのシェア90%を占めるという小さな大企業。県内のスーパーはもちろん、土産品として県外にも出荷されています。
アマゴ
アマゴはイワナとともに、遠山を代表する川魚です。 地元ではアメノウオ、もしくはアメと呼ばれて親しまれてきました。アマゴとヤマメは姿がほとんど同じで、淡白な身や柔らかい骨など、川魚としての美味しさも変わりません。ただ、アマゴには脇腹に赤い斑点があり、ヤマメにはそれがないのが特徴です。
アマゴの寿命は四~五年といわれ、多くのアマゴは産卵後も死ぬことはありません。 遠山川は三十センチを超える大物、いわゆる尺アマゴが釣れる名川として釣り人に知られています。南和田大町の鎌倉詔さんが、父親とともにアマゴの養殖を始めたのは昭和三十七年。アマゴを村の特産品にしたいという思いからでした。現在では後を継いだ息子さんとともに、南信濃のアマゴ養殖を一手に引き受けています。
天然も養殖も、遠山谷のアマゴは自然が育んだ繊細な芸術品なのです。
はちみつ
はちみつは遠山郷の自然の贈り物です。遠山郷で有名なのは山の滋味が詰まった「百花みつ」。ケンポ梨・アカシヤ・そよご・トチなど山の花の蜜にこだわり
たくさんの花から採れた蜜の事を「百花みつ」といいます。